移住者インタビュー/鈴木純さん

移住者インタビュー/鈴木純さん

暮らす | 2019.03.08 UPDATE

くらしかる真鶴を一昨年に利用され、実際に移住してきた鈴木さん。くらしかる真鶴はどうだったのか? そして、その後移住してみてどんなことを感じているのか? 移住後の暮らしに迫りました。
 

 
———まずはじめに、以前東京・品川に住まれていて、そこから引っ越そうと思ったきっかけを教えてくれますか?
 
鈴木さん:これまでは仕事のために東京に住んでいたんですが、仕事を辞めたので東京にいる理由が希薄になってきたんです。映画も見ないし、ネットでいろんなものが手に入るし。
 あるとき、希薄さがその臨界を超えるんでしょうね。東京にいる必然がゼロに近くなったんです。「東京じゃなきゃダメ」じゃなくて「東京もいいよね」になった。それまでは考えもしなかったんだけど、「じゃあ地方に行ってもいいかな」と思うようになったんです。「行った方が良い」ではなかったですけどね。
 それから住む地域を探し始めたんだけど、条件を満たせるところがない。そういう意味では真鶴は奇跡のような場所だったんです。
 
———「条件」というのは?
 
鈴木さん:一つは、「東京からそれほど遠くないところ」。それほどの理由はなかったんですが、東京から遠いところに行くほどの根性がなかったんです。踏ん切りやすいほうが良かったので。
 そして「車なしで生きていけるところ」。これがなかなか満たせるところがなかった。私は車の免許を持っていなかったし、妻と娘は自転車も乗らない。徒歩圏内でまかなえるのは魅力的だったんです。
 そういった漠然とした条件がいろいろあって、そんなときにネットで真鶴の不動産情報を見つけたんです。その物件があらゆる条件を満たしていて。さらに調べると「美の基準」(※)が出てきた。
 そして、これまで私は条件をきっちりと見るタイプだったんですが、条件ではなく「人」に出会った。そこでまず発見があったんです。これまでは客観的な条件ばかりをみていたけど、客観的に見ることが必ずしも正しいことではないなと思ったんです。それが心地よかった。いろんな人に出会って、それがまた+ αになった。
 真鶴は、「条件」とは別の魅力を備えていることがわかったんです。
 
※美の基準:真鶴のまちづくり条例の一つ。69のキーワードで真鶴の「美」を定義している。


 
———くらしかる真鶴を利用したのは16年11月でしたね。利用してみて発見はありましたか?
 
鈴木さん:発見というか、確信が強まった感じはありますね。というのは、くらしかる真鶴にいる間に知り合いが何人も会いに来てくれたんです。「お試し暮らしをやっているんだよ」っていう話をすると、「真鶴って何?」となる。来てくれた人を案内する。
 実は今もそういう生活をしていますよ。ここに引っ越してから一体何人来たんだろうというくらい。東京にいたときの方が距離的には近かったはずなのに、真鶴にいるときの方がたくさんの人が来るんです。それはやっぱり楽しそうな場所だからだと思うんですね。
 友達の家に旅行に行く感じで、しかも、旅行に行くにしては大げさでなく行ける。そういうのが今の暮らしなんです。今になって思えば、「ここに引っ越すとこういうことになる」というのが、お試し暮らしのときに体験できていました。

———それから物件探しをされて、翌年の17年7月に真鶴に移住してきました。実際に移住してみての感想は?
 
鈴木さん:真鶴の人は、人付き合いが洗練されてますね。
 
———洗練?
 
鈴木さん:「人付き合いとはこういうもんよ」という洗練さ。もちろん、人付き合いにはいろんなスタイルがあると思います。東京の「お互い関わらないという人付き合い」も間違ってはないと思うし、本当に田舎のほうの「べったりした人付き合い」もそれはそれでありだと思う。ただ、その人付き合いはその中だったら成立すると思うんだけど、外部の要素が入ってくる場合難しい部分が発生する。「洗練」と言ったのは、真鶴は、真鶴独自の人付き合いのスタイルがあるけれども、我々みたいに外部から入ってきた人間も違和感なくそれに入れる。親切さが、本当に純粋に親切なだけというか、くどくないし、そっけなくない。それは「洗練」と言っていいんじゃないかなと思います。
 コミュニティが未熟なところって結構いっぱいあると思うんですよ。逆に未熟じゃないんだけど腐りかけているところもいっぱいあると思うんです。対して、真鶴はかつてのコミュニティのスタイルが現代に合っている。もしかしたらいろいろなところで通用するコミュニティの形かもしれないですね。
 
———具体的に何かエピソードはありますか?
 
鈴木さん:移住して最初の、7月の貴船まつりのときかな。祭りにお神輿が出て、そのときが近所のみなさんに初めて顔を合わせたっていう感じだったんです。そうしたら向こうから声をかけてくれて。声をかけてくれるのが何気ないんだよね。引っ越しのときも、「家の車庫に車入れていいからね」と言ってくれたり。でも、自分にできることだけをして去っていくというか。
 この間真鶴の仲の良い人たちで新年会をやったときも、うちの娘も連れて行ったら、地元の人が「来てくれてうれしかった」って言うんですよね。「よかったです」じゃなくて「うれしかった」っていう表現がいいよね。
 それと、引っ越してきてたった半年ちょっとで、知り合った人がみんな面白い。面白い度数が高い。それも想定外だった。「真鶴が好き」というので基本的に来る人にフィルタがかかっていて、ある程度傾向が絞られているんですね。


 
———車がない生活は実際にできていますか?
   
鈴木さん:車があった方が楽しいなとは思います(笑)。でも、ここは家の近くにお肉屋さんがあって干物屋さんがあってパン屋さんもある。酒屋さん、蕎麦屋さんもある。真鶴の中では割と条件は揃っていると思います。セブンイレブンも遠くないし、何にも食べるものがなくても何とかなる。不便っちゃ不便だけれども、致命的な不便さは全くない。さらに電動自転車でもあれば楽だと思います。
 私はよく湯河原にも買い物に行くんです。歩いて行って帰りはバスで帰ってきたり。近いのかって言われると微妙だけど、「楽しい道」なんです。なんでもないつまんない道を歩くのと、初島が見えたりする道を歩くのでは違うでしょ? あと、ここは終バスが午後3時台なんです(笑)。観光用のバスなんですよね。しょうがないんだろうなって思いますけど。
 
———最後に、移住を検討している人がくらしかる真鶴を利用したほうがいいと思いますか?
 
鈴木さん:利用したほうがいいと思います。たとえ移住を決めていたとしても、確認事項ってあるじゃないですか? どっちにしても引っ越しなんて不確定なものなので、情報量は多ければ多い方が良いと思います。
 
———お話ありがとうございました!

 

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